個展 trace a lake
2024年4月26日(金)~5月6日(月)

琵琶湖湖面から突き出ているたくさんの棒。これは伝統漁法「魞漁(えりりょう)」による仕掛けの一部です。障害物にぶつかるとそれに沿って泳ぐ魚の習性を利用し、湖岸から沖に向かって矢印型に網を設置し、魚を「つぼ」と呼ばれる行き止まりに誘導して捕まえます。必要な量だけを捕獲できる持続可能な漁法で、琵琶湖では1000 年以上前の伝来から今日まで続いており、大津市堅田の魞漁は平成18 年に水産庁「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」に選ばれました。

私は2022 年と2023 年に、琵琶湖の漁師さんに船に乗せてもらい、魞漁を体験する機会がありました。夜明け前から船に乗り、黒い湖を進んでいく船、はじめは波の音と船のエンジン音、魞の黒いシルエットだけが存在します。やがて夜があけると、だんだんとあたりは暗闇から群青、石竹色のグラデーションを作り出します。
周りの景色が変わっていく一方で、魞の仕掛けは変わらずそこにあり続け、まわりの移ろいを感じさせる指標となります。
そんな魞をなぞり続けることで自分の位置、周囲の環境を観測しようと試みています。



Trace-Eri- 10枚組





Xerox drawing Eri #01〜06 昇華転写


trace a lake 上映時間:02:23




trace a lake
日程:2024年4月26日(金)~5月6日(月)
時間:12:00~19:00(最終日は17:00まで)
休廊:火・水・木
会場:GAMOYON Gallery
〒536 – 0004 大阪市城東区今福西 1 – 3 – 23
アクセス: [地下鉄]長堀鶴見緑地線、今里筋線 蒲生四丁目駅3番出口
取材協力:駒井健也
撮影:鍋本慎
GAMOYONGallery

